Jackeryのアダプターには、「直列」用と「並列」用があります。
ほとんどが各ポータブル電源専用のアダプターになっているので間違って購入してしまうことはないのですが、気になるのでどうして使用できないのかについてまとめておきます。
「Jackery SolarSaga アダプター」の質問のところに似たような質問が複数投稿されており、同じ疑問を持っている人が結構な人数いるのではないかと思うので、そんな方々の解決になればなと思います。
事前に知っておきたいこと
直列と並列の違いについて
直列と並列の接続について簡単にまとめると以下のとおりです。
- 直列接続:電流が一定で、電圧が加算
- 並列接続:電流が加算で、電圧が一定
直列のアダプターでは、電圧を足して考えたらよく、並列のアダプターでは電流を足して考えるといいということです。
例えば、20V6A(120W)のソーラーパネルが2枚あるとします。
- 2枚を直列接続:40V6A(240W)
- 2枚を並列接続:20V12A(240W)
充電W数に変化はないですが、電圧と電流の数値が変わります。
ポータブル電源には、対応できる電圧と、対応できる電流の数値が決まっているので、これらの数値をよく確認してからどちらの方法で接続するかを決める必要があるというわけです。
ソーラーパネルのスペック
各ソーラーパネルのスペックはこんな感じになってます。
Jackery SolarSaga | 60 | 80 | 100 | 200 |
---|---|---|---|---|
最大出力 | 68W | 80W | 100W | 200W |
定格電圧 | 22V | 22V | 20V | 19V |
定格電流 | 3.09A | 3.64A | 5.55A | 10.53A |
開放電圧 | 26.4V | 28.5V | 24.8V | 24.2V |
短絡電流 | 3.3A | 3.71A | 6.1A | 10.8A |
ここで見るべきところは、定格電圧と定格電流です。
- 定格電圧:ポータブル電源の対応電圧を超えていると使用できない
- 定格電流:ポータブル電源の電流制限を超えると自動制御で停止
このように覚えておくといいと思います。
各ポータブル電源の入力スペック
各ポータブル電源のDC入力のスペックは以下のとおりです。
Jackery | DC入力 | 対応電圧 | ポート数 | 最大充電 W数 | ソーラーパネル 最大枚数 |
---|---|---|---|---|---|
240 | 19V-3.42A | 12-30V | 1 | 約60 | 1枚 |
400 | 19V-3.42A | 12-30V | 1 | 約60 | 1枚 |
708 | 24V-7.5A Max | 12-30V | 1 | 180 | 1枚 |
1000 | 24V-7.5A Max | 12-30V | 1 | 180 | 2枚(100W×2) |
1000Pro | 17.5-60V(動作電圧)/11A、 2ポート電流制限22A | 12-60V | 2 | 800 | 4枚 |
1500 | 24V-10.5A 電流制限11A | 12-30V | 2 | 500 | 4枚(100W×4) |
2000Pro | 17.5-60V(動作電圧)/12A、 2ポート電流制限24A” | 11-60V | 2 | 1200 | 6枚 |
「Jackery SolarSaga 200(定格電流10.53A)」がすべてのポータブル電源で使用できることから、記載がなくても、Jackeryのポータブル電源の電流制限は11Aになっているのではないかと思います。
ここで重要なのは、対応電圧(この数値を超えるものは無理)と電流制限(この数値を超えるものは無理)です。
アダプターについて
Jackery SolarSaga アダプターは直列
2000Pro専用と書かれている「Jackery SolarSaga アダプター」は、直列接続用です。
「Jackery SolarSaga 200」を、直列接続した場合に変化する部分は以下のとおりです。
Jackery SolarSaga 200 | 1枚 | 2枚 | 3枚 |
---|---|---|---|
定格電圧 | 19V | 38V | 57V |
定格電流 | 10.53A | 10.53A | 10.53A |
最大出力 | 200W | 400W | 600W |
直列では、定格電圧部分が変化します。
2枚になると38Vになり、2000Pro以外のポータブル電源の対応電圧を軽く超えてしまうため、他のポータブル電源では使用できません。
使えるとしたら、対応電圧が「2000Pro」と同様に多い「1000Pro」になります。
Jackery Solarsaga 並列接続用ケーブルでは200Wが使えない
先程は直列のアダプターについて考えましたが、並列接続用のアダプターでも考えてみます。
並列接続で変化するのは以下のとおりです。
Jackery SolarSaga 200 | 1枚 | 2枚 | 3枚 |
---|---|---|---|
定格電圧 | 19V | 19V | 19V |
定格電流 | 10.53A | 21.06A | 31.59A |
最大出力 | 200W | 400W | 600W |
Jackery SolarSaga 100 | 1枚 | 2枚 | 3枚 |
---|---|---|---|
定格電圧 | 20V | 20V | 20V |
定格電流 | 5.55A | 11.1A | 16.65A |
最大出力 | 100W | 200W | 300W |
並列接続では、定格電流部分が変化します。
「Jackery SolarSaga 200」を並列接続アダプターに取り付けると、ポータブル電源の電流制限を軽く超えてしまうため、使用できないことがわかります。
「Jackery SolarSaga 100」でも11Aを超えてしまって使用できないはずなのですが、多少超えるぐらいであればギリギリ使えるのだと思います。ソーラーパネルは、フルのスペックを発揮できるわけではないので、そのために問題なく使用できるのではないかとも思われます。
あとがき
Jackeryのポータブル電源1500と「Jackery SolarSaga 200」を購入して、アダプターが付属していたので、もしかしたら使えるのかなと思っていたのですが、使えないです。最大入力W数も1ポート250Wなので、元々複数枚のソーラーパネルを使用するのに向いてないようですね。
また、Jackeryのアダプターは、種類が複数あって、「どうして専用になっているのだろう?」とか「なんで専用になっているのだろう?見た目同じだから使えそうなのに。」とか思っていたのですが、直列と並列で制限される部分が大きく違っていたんですね。気が付きませんでした。一文字の違いなのであまり気にしてなかったのですが、今後はよく見ていこうと思います。
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