「Jackery SolarSaga 80」が発売され、それまでソーラーパネルを並列接続するにはアダプターが必要だったものが単体で並列接続できるようになりました。
それにともない、いろいろと疑問が出てきたのでまとめておこうと思います。
直列と並列について簡単まとめ
ソーラーパネルとポータブル電源の関係を考える上での予備知識で必要になるのは直列と並列の考え方です。
簡単にまとめておくと以下の通りです。
- 直列接続:電流が一定で、電圧が加算
- 並列接続:電流が加算で、電圧が一定
直列のアダプターでは、電圧を足して考えたらよく、並列のアダプターでは電流を足して考えるといいということです。
例えば、20V6A(120W)のソーラーパネルがあるとします。
- 2枚を直列接続:40V6A(240W)
- 2枚を並列接続:20V12A(240W)
充電W数に変化はないですが、電圧と電流の数値が変わります。
ポータブル電源には、対応できる電圧と、対応できる電流の数値が決まっているので、これらの数値をよく確認してからどちらの方法で接続するかを決める必要があるというわけです。
ソーラーパネルとポータブル電源の関係
各ソーラーパネルのスペック
Jackeryの各ソーラーパネルのスペックはこんな感じです。
SolarSaga | 60 「販売終了」 | 80 | 100 | 200「新」 (JS-200A) | 200「旧」 (SPL201) |
---|---|---|---|---|---|
本体価格(税込) | 20,700円 | 29,800円 | 34,800円 | 86,600円 | 86,600円 |
最大出力 | 68W | 80W | 100W | 200W | 200W |
定格電圧 | 22V | 22V | 20V | 18V | 19V |
定格電流 | 3.09A | 3.64A | 5.6A | 11.12A | 10.53A |
開放電圧 | 26.4V | 28.5V | 24.8V | 23.2V | 24.2V |
短絡電流 | 3.3A | 3.71A | 5.6A | 11.76A | 10.8A |
ここで見るべきところは、定格電圧と定格電流です。
- 定格電圧:ポータブル電源の対応電圧を超えていると使用できない
- 定格電流:ポータブル電源の電流制限を超えると自動制御で停止
このように覚えておくといいと思います。
DC入力スペック
各ポータブル電源のDC入力スペックは、以下の通りです。
Jackery | DC入力 | 電流制限 | 対応電圧 | ポート数 | 最大充電 W数 | ソーラーパネル 最大枚数 |
---|---|---|---|---|---|---|
240 | 19V-3.42A | 記載なし | 12-30V | 1 | 約60 | 1枚 |
400 | 19V-3.42A | 記載なし | 12-30V | 1 | 約60 | 1枚 |
708 | 24V-7.5A Max | 記載なし | 12-30V | 1 | 180 | 1枚 |
1000 | 24V-7.5A Max | 記載なし | 12-30V | 1 | 180 | 2枚(100W×2) |
1000Pro | 17.5-60V⎓11A | 22A | 12-60V | 2 | 800(400×2) | 4枚 |
1500 | 24V-10.5A | 記載なし | 12-30V | 2 | 500(250×2) | 4枚(100W×4) |
1500Pro | 17.5-60V⎓12A | 24A | 11-60V | 2 | 1400(700×2) | 6枚(200W×6) |
2000Pro | 17.5-60V⎓12A | 24A | 11-60V | 2 | 1200(600×2) | 6枚 |
2000Plus | 17.5-60V⎓12A | 24A | 11-60V | 2 | 1400(700×2) | 6枚 |
「Jackery SolarSaga 200(定格電流10.53A)」がすべてのポータブル電源で使用できることから、記載がなくても、Jackeryのポータブル電源の電流制限は11Aになっているのではないかと思います。
- 1000、1500:並列アダプター(電圧が一定で、電流が加算)
- 1000Pro、2000Pro:直列アダプター(電流が一定、電圧が加算)
1000や1500に「Jackery SolarSaga 200(定格電流10.53A)」がアダプター接続できないのは、1ポートの電流が11Aを超えてしまうからですね。
「Jackery SolarSaga 80」が3枚までの理由
「Jackery SolarSaga 80」を並列接続したときの電流の変化(電圧は一定の22V)は以下のとおりです。
Jackery SolarSaga 80 | 1枚 | 2枚 | 3枚 | 4枚 |
---|---|---|---|---|
定格電流 | 3.64A | 7.28A | 10.92A | 14.56A |
最大出力 | 80W | 160W | 240W | 320W |
4枚になると、電流制限に引っかかるので停止してしまうというわけです。
「Jackery SolarSaga 80」は何枚使用できる?
どのポータブル電源に「Jackery SolarSaga 80」を3枚接続しても使用可能ではあるのですが、ポータブル電源の方の最大充電W数を超えて充電できません。
また、ソーラーパネルも書かれているスペック通りに充電できるわけでもないです。200Wのソーラーパネルで快晴のときにやっと7割程度です。
そこで、改めて枚数を考えると以下の通りになります。
Jackery | DC入力 | 電流制限 | 対応電圧 | ポート数 | 最大充電 W数 | 使用できる 枚数 |
---|---|---|---|---|---|---|
240 | 19V-3.42A | 記載なし | 12-30V | 1 | 約60 | 1枚 |
400 | 19V-3.42A | 記載なし | 12-30V | 1 | 約60 | 1枚 |
708 | 24V-7.5A Max | 記載なし | 12-30V | 1 | 180 | 3枚 |
1000 | 24V-7.5A Max | 記載なし | 12-30V | 1 | 180 | 3枚 |
1000Pro | 17.5-60V⎓11A | 22A | 12-60V | 2 | 800 | 3枚 |
1500 | 24V-10.5A | 記載なし | 12-30V | 2 | 500 | 3枚 |
1500Pro | 17.5-60V⎓12A | 24A | 11-60V | 2 | 1400 | 3枚 |
2000Pro | 17.5-60V⎓12A | 24A | 11-60V | 2 | 1200 | 3枚 |
2000Plus | 17.5-60V⎓12A | 24A | 11-60V | 2 | 1400 | 3枚 |
240と400については1枚で、それ以外は3枚の使用での充電ですかね。
708と1000は、スペック的には2枚なのですが、ソーラーパネルがだいたい6割ぐらいのスペックを出せると考えると3枚の方が効率がいいでしょう。
3枚以上使用する場合は、別途アダプターを準備する必要があります。
ただ、3枚揃えるのは高いので、「Jackery SolarSaga 200」を1枚購入する方がコスパがいいです。
各ソーラーパネルの充電時間の目安
各ソーラーパネルの充電時間の目安は公式サイトに記載があります。
あとがき
元々アダプターを使用して「Jackery SolarSaga 100」を使用しているというのであれば、アダプターが必要ない分「Jackery SolarSaga 80」の方が使いやすいと思います。
ただ、複数枚持っていくのは重いので、「Jackery SolarSaga 200」を一枚使用する方が使い勝手はいいと思います。
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