
ポータブル電源を調べていると、
「無停電電源装置(UPS)」
「EPS機能」「簡易UPS」
といった言葉を目にすることがあります。
ですが、
- UPSってそもそも何?
- ポータブル電源と何が違う?
- 「UPS対応」と書いてあれば全部同じ?
と、違いが分かりにくく感じやすいのも事実です。
この記事では、
- 無停電電源装置(UPS)の役割
- 通常のポータブル電源との違い
- 「UPS対応ポータブル電源」でできること・できないこと
を、仕組みベースで整理します。
無停電電源装置(UPS)とポータブル電源の違いは?
UPSとポータブル電源は、
どちらも「停電時に電力を供給する」という点では似ています。
ただし、設計思想と用途はまったく異なります。
- UPS:
→ 停電時に安全に止めるための装置 - ポータブル電源:
→ 停電時に電力を使い続けるための電源
この違いを理解しておかないと、
「UPS対応と書いてあったのに思った使い方ができない」
というズレが起きやすくなります。
無停電電源装置(UPS)とは?
無停電電源装置(UPS)とは、
停電が発生しても電力供給を止めないための装置です。
主な役割は、
- 停電時に機器が突然止まるのを防ぐ
- データ保存や安全なシャットダウンの時間を確保する
というものです。
一般的なUPSは、
- バッテリー容量が小さい
- 数分〜十数分の電力供給が前提
- 医療機器・サーバー・業務機器向け
といった用途が中心で、
長時間対応モデルは高価になります。
つまり個人で使用するUPSは、
「停電しても使い続ける」ためというより、
「安全に止めるための時間を稼ぐ装置」です。
UPS対応ポータブル電源とは?
近年増えているのが、
UPSのような動作ができるポータブル電源です。
これは、
- 普段はコンセントから電力を供給
- 停電を検知すると内蔵バッテリーへ自動切り替え
という仕組みを持っています。
UPS専用機との大きな違いは、
- 停電後も長時間電力を供給できる
- ソーラーパネルと併用できる
という点です。
停電時に「止めるため」ではなく、
「そのまま使い続けるため」の電源として使えるのが
UPS対応ポータブル電源の特徴です。
通常のポータブル電源は充電しっぱなしに向かない
従来のポータブル電源(特に三元系リチウムイオン電池)は、
- 満充電状態を長時間維持すると劣化しやすい
- 充電しっぱなしは寿命を縮める可能性がある
とされてきました。
そのため一般的には、
- 満充電後はコンセントを抜く
- 80%前後で保管する
といった使い方が推奨されていました。
BMS(バッテリーマネジメントシステム)により
過充電は防がれていますが、
「満充電状態を維持し続けること自体」は別問題です。
UPS対応モデルが充電しっぱなしでも使える理由
UPS/EPS対応のポータブル電源では、
- 満充電になると充電を停止する
- または、電力をバッテリーを通さず素通りさせる
といった制御が行われています。
そのため、
- 常時コンセント接続
- 停電時は自動でバッテリー出力へ切り替え
という運用が可能になります。
停電時に手動操作が不要なため、
家庭用の停電対策として扱いやすい構成になっています。
UPS対応モデルにLiFePO4が多い理由
UPS対応ポータブル電源の多くは、
LiFePO4(リン酸鉄リチウムイオン電池)を採用しています。
理由は、
- 発熱しにくく安定性が高い
- 長寿命(3000〜6000サイクル)
- 満充電付近での劣化が比較的少ない
といった特性があるためです。
最近では、
UPS対応・常設利用を前提に
LiFePO4が事実上の標準構成になりつつあります。
UPS・EPS・簡易UPSの違いについて
ポータブル電源で使われているUPS機能は、
厳密には「簡易UPS」や「EPS(非常用電源)」に分類されます。
切り替え時間の目安は、
- 完全なUPS:0ms
- 簡易UPS/EPS:10〜30ms前後
ポータブル電源で
完全な0ms切り替えに対応している製品はほぼありません。
そのため、
- 医療機器
- サーバー用途
には使用できません。
一方で、
- ルーター
- PC
- 冷蔵庫
- 照明
といった家庭用機器では実用上問題にならないケースが大半です。
UPS対応ポータブル電源のメーカー別違いについて
以前は、UPS(簡易UPS/EPS)に対応しているポータブル電源は一部のメーカー・上位モデルに限られていました。
しかし最近では、LiFePO4採用モデルの増加とあわせて、多くのメーカーがUPS対応をうたうようになっています。
その結果、
- 「UPS対応」と書かれていても切り替え時間が違う
- シリーズごとに仕様が微妙に異なる
- 旧モデルと現行モデルで対応状況が変わっている
など、個別記事だけでは把握しづらい状態になってきました。
そこで本記事ではメーカーごとの細かい違いまでは掘り下げず、
UPS対応モデルを横断的に比較できるよう、メーカー別の性能一覧表にまとめています。
切り替え時間や対応シリーズ、モデルごとの違いを確認したい場合は、
以下の一覧表をご覧ください。

まとめ|家庭用の停電対策なら「簡易UPS対応」で十分
- 本来のUPSとポータブル電源は用途が異なる
- ポータブル電源のUPS対応は「簡易UPS」
- 切り替えは10〜30ms程度
- 家庭用途では問題になるケースは少ない
停電対策として、
- 短時間の瞬断を防ぎたい
- 数時間〜半日の電力を確保したい
という目的であれば、
UPS対応ポータブル電源は現実的で扱いやすい選択肢です。
重要なのは、
と誤解しないこと。
何を守りたいのか(用途)を決めたうえで、
切り替え時間と供給時間を見る
これが失敗しない判断基準です。
また、おすすめのポータブル電源については、こちらにまとめておきました。

コメント