
車中泊やバンライフでは、照明やスマホの充電だけでなく、冷蔵庫や調理家電など、想像以上に電気を使います。
そのため、ポータブル電源は「あると便利」ではなく、快適さを左右する重要な装備になります。
この記事では、車中泊・バンライフ用途に絞って、
どのくらいの出力と容量があれば困らないのかを、使い方のイメージから整理します。
専門用語をなるべく避けながら、
「自分にはどのクラスが必要か」を判断できる内容にまとめました。
車中泊・バンライフ用ポータブル電源の選び方
まずは「使いたい家電」から考える
車中泊では、小さな電化製品を複数使うことが多くなります。
照明、スマホ、扇風機、冷蔵庫などは、どれも長時間使う前提です。
ここで重要なのは、
一番電力を使う家電は何かを先に決めることです。
たとえば、
・スマホやライト中心
・冷蔵庫を常時動かしたい
・電気ケトルや電子レンジも使いたい
この違いで、必要なポータブル電源のクラスは大きく変わります。
出力(W)は「最大で使う家電」を基準にする
出力は「どんな家電を動かせるか」を決める要素です。
消費電力が出力を超えると、家電は動きません。
車中泊でよく使われる家電の目安は以下のとおりです。
| 使用機器 | 消費電力の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| LEDライト | 5〜20W | 複数使用でも問題なし |
| スマホ充電 | 5〜15W | USBポートで対応可能 |
| 扇風機 | 30〜50W | 省エネタイプが多い |
| ノートPC | 50〜100W | 長時間作業には注意 |
| 小型冷蔵庫 | 60〜100W | 常時稼働することを想定 |
| 電気ケトル | 700〜1200W | 使用時は高出力が必要 |
この中で、最も大きな数字を基準に考えます。
スマホ・扇風機中心であれば、定格出力300W前後でも対応できます。
冷蔵庫やノートPCを安定して使うなら、500〜800Wクラスが安心です。
調理家電まで使う場合は、1000W以上を見ておく必要があります。
📝 目安:車中泊用途では「定格出力300〜1000W」のモデルが安心です。
容量(Wh)は「どれくらいの時間使うか」で決める
容量は「使える時間」に直結します。
考え方はシンプルで、次の計算が目安になります。
消費電力(W)×使用時間(h)=必要な容量(Wh)
たとえば、60Wの冷蔵庫を8時間使うと、
60 × 8 = 480Wh が必要になります。
実際には変換ロスがあるため、
計算結果より2〜3割余裕を持たせると安心です。
車中泊での容量目安は次のとおりです。
| 用途イメージ | 推奨容量(Wh) |
|---|---|
| 1泊2日・スマホやライト中心 | 300〜500Wh |
| 冷蔵庫やPCも使用 | 600〜1000Wh |
| 長期旅行・家電多用 | 1000〜2000Wh以上 |
「短時間を何度も」か「夜通し使うか」で、必要な容量は変わります。
使用する家電が多いのであれば個別に計算し、合計したものが必要な容量になります。
出力ポートと充電方法も忘れずに確認
車中泊では、接続する機器が多くなりがちです。
そのため、ポートの種類と数も重要になります。
- ACポート:コンセントと同じ。ノートPCや家電用。
- USB Type-A/Type-C:スマホやタブレット充電に。
- シガーソケット:冷蔵庫や空気清浄機など車用家電に。
また、充電方法もチェックが必要です。
- コンセント(AC)
- 車のシガーソケット
- ソーラーパネル(※車外設置が前提)
特に、走行中に車から充電できるかは、長旅では効いてきます。
👉 車で充電できるかどうかは必ず確認しましょう。
安全性と耐久性は車内環境を前提に考える
車内は、高温・振動・湿気など、バッテリーにとって厳しい環境です。
そのため、安全性と寿命も軽視できません。
近年主流なのは、リン酸鉄リチウムイオン電池を使ったモデルです。
発熱しにくく、寿命が長いため、車中泊用途と相性が良い傾向があります。
軽さ重視で三元系リチウム電池を選ぶ方法もありますが、
長期使用を考えるなら、安定性を重視したほうが安心です。
- バッテリーの種類
- リン酸鉄リチウム(LiFePO4):安全性・寿命◎、やや重い
- 三元系リチウム:軽量だが発熱・劣化しやすい
- 耐衝撃性/防塵防水性
- IP規格などで等級が明記されているか
- 移動中の車内でも安定して使える設計かどうか
熱や衝撃への耐性を考えると、リン酸鉄リチウム搭載モデルが安心です。
ソーラーパネル運用を考える場合
長期間のバンライフでは、ソーラーパネルがあると心強くなります。
ただし、発電量は天候に左右されます。
容量ごとの目安は以下のとおりです。
| ポータブル電源容量 | 推奨ソーラーパネル出力 |
|---|---|
| ~500Wh | 100Wパネル1枚 |
| ~1000Wh | 150〜200W |
| 1500Wh以上 | 200〜300W × 2枚以上 |
表記出力どおりに発電できるとは限らないため、
少し余裕を持った構成が現実的です。
☀️ 曇りの日や夕方は発電量が落ちるため、余裕をもった構成がおすすめです。
よくあるQ&A
- 車のシガーソケットで充電できますか?
-
多くのモデルで可能ですが、充電速度は遅めです。
補助的な手段と考えるほうが無難です。 - どのくらいの容量があれば安心ですか?
-
1泊2日なら500Wh前後、
数日〜1週間の旅なら1000Wh以上が目安になります。 - 夏や冬でも使えますか?
-
使えますが、気温の影響は受けます。
高温になりやすい場所に置かない工夫が必要です。
車中泊・バンライフ用途におすすめのモデル【簡単に紹介】
車中泊・バンライフ向けのポータブル電源は、
「どのモデルが一番良いか」よりも、どのクラスを見るべきかを先に決めるほうが失敗しにくくなります。
ここでは、用途別に向いている出力・容量帯だけを整理します。
スマホの充電や扇風機が中心の場合
照明、スマホ、モバイルルーター、扇風機といった
比較的消費電力の小さい機器が中心であれば、定格出力300Wクラスで十分対応できます。
容量は300〜500Whあれば、1泊2日の車中泊でも無理なく使えるケースが多いです。
軽量で取り回しやすく、設置場所に困りにくい点もメリットになります。
このクラスの具体的な候補は、以下の記事でまとめています。

冷蔵庫を常時動かしたい・長時間使いたい場合
ポータブル冷蔵庫を常時稼働させたり、
ノートPC作業や電気毛布を組み合わせる場合は、600〜1000Whクラスが現実的になります。
出力は500〜1000W程度あると余裕があり、
複数機器を同時に使っても安定しやすくなります。
この帯は車中泊・バンライフで最も選ばれやすいバランス型です。
電子レンジや調理家電まで使いたい場合
電子レンジ、電気ケトル、IH調理器などを使う場合は、
定格出力2000Wクラス以上が前提になります。
容量も1000Wh以上が必要になり、本体サイズと重量は大きくなりますが、
「車内をほぼ家庭環境に近づけたい」人には有効な選択肢です。
このクラスについては、以下の記事で詳しく整理しています。

使用にあたっての注意点
車中泊・バンライフの心強い味方となるポータブル電源ですが、適切に管理・使用しないと性能が落ちたり故障の原因になることもあります。以下のポイントに気をつけてください。
高温・多湿に注意!
ポータブル電源は高温に弱いため、直射日光が長時間当たる場所に置かないようにしましょう。特に、車の前列(運転席、助手席)は熱くなりやすいので絶対にそこへ載せたまま放置しないようにしましょう。
また、湿気・水没も大敵です。川岸や海辺など水の近くに置いておくのは避けてください。
NGな場所の例
× 炎天下の車内
× 夏場の屋外放置
×川岸や海辺など水のかかる場所
使用する前に満充電を!
長期保管するときは、60~80%で保管しておくのがいいのですが、使用する前には満充電するようにしましょう。
せっかく計算したのに、容量が足りず途中でバッテリーがなくなってポータブル電源が使えなくなってしまうと、何のために準備したのかわからなくなります。
ソーラーパネルを準備しておき、途中で充電できるようにするのもありです。
ソーラーパネルの扱い方
使用時の注意
- ソーラーパネルは日差しをしっかり当てられる場所に広げて使いましょう。
- 角度や影の有無によって発電効率が大きく変わります。
保管時の注意
- 使用後は乾いた布で軽くふいて、湿気の少ない場所にしまうのがベストです。
- 折りたたみ式はケーブルを挟み込まないように収納してください。
車中泊・バンライフで使用する場合は、日中移動することが多いと思います。少し工事が必要になりますが、車用の固定できるタイプのソーラーパネルを選ぶと運転中も充電できるようになります。
まとめ
車中泊・バンライフ用のポータブル電源は、
まず「一番使いたい家電」を決め、その出力を基準に考えることが近道です。
次に、使用時間から容量を決め、
ポート構成や充電方法、安全性まで確認すると失敗しにくくなります。
キャンプよりも稼働時間が長くなる傾向があるため、
少し余裕を持ったクラスを選ぶと、旅のストレスを減らせます。
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