小型オフグリッドアクアポニックスの作り方。

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ちょうどいいところに屋外コンセントがないので、オフグリッドのアクアポニックス(水産養殖の「Aquaculture」と、水耕栽培の「Hydroponics」からなる造語)を作ってみたいと思って色々と調べていました。しかし、大規模なアクアポニックスしか出てこず、家庭用の小さなもので自分にあった記事が見つからなかったので実際に自分で試してみることにしました。

失敗することが多く、余計な出費が多かったので、こちらの記事にまとめておこうと思います。誰かの参考になれば幸いです。

目次

失敗談まとめ

以後に書いていく内容にスムーズに入って行きたいので最初に失敗談をまとめておきます。

ソーラーパネルとバッテリーの失敗

購入したもの

細々とした小物を省くとこんな感じです。ちょっと見にくいので書き直します。

  • 25Wソーラーパネル+10Aチャージコントローラー
  • 128Whのリン酸鉄リチウムイオンバッテリー
  • 150Wインバーター
  • インバーターをつなぐケーブル
  • 7Wの水中ポンプ

消費電力と発電量を計算

日が当たる時間が朝7時から夕方4時の9時間なので、15時間が日の当たらない時間になります。

7W×15h=105Wh

計算式から、105Whの容量のバッテリーとその容量を発電できるソーラーパネルがあれば大丈夫なはずです。

105Wh÷9h≒11.7W

計算式から、11.7W以上のソーラーパネルがあれば問題ないはずと思って購入を決めました。

夜間に止まって起動しない

実際に接続が終わって試してみたところ、どうしても夜間の間に止まってしまい、再び接続し直さないと止まったままになってました。

原因は計算間違い

計算式から11.7Wと出たのですが、充電中も7Wを消費していることに気がついていなかったことが失敗の原因のようです。

7W消費しているため、計算上18.7Wの発電量が9時間持続しないと、夜間起動するためのバッテリー容量が足りなくなるようです。

25Wあれば大丈夫かと思っていたのですが、ソーラーパネルのレビューを見てみると15Wぐらいしか発電していないようでした。「そりゃ足りないな」ということで、消費電力の少ない3Wの水中ポンプを購入することにしました。

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3W×15h=45Wh   45Wh÷9h=5W  5W+3W=8W

再度計算してみるとこんな感じになり、少し余裕を持った組み合わせになって24時間ノンストップで起動している感じです。余裕が出た分、USBで動くエアーポンプもつけ酸欠にならない状態が確保できた状態です。

土がアクアポニックスに不向きな理由

サイフォンがうまく起動しなかったので、写真のような感じで、不織布ポットの下部だけ水に使った状態を維持していたら大丈夫かと思ってしばらく様子見してました。

どうやら土というのは上から水をあげなくても水を吸い上げるようで、土が一向に乾かず、3日ぐらいでカビが生えて腐りました。これでは生き物を入れられません。

そこで、土はやめてハイドロボールを大量に入れることにしました。

上の段のトロ船は、25Lのもので、そこに敷き詰めるとなるとかなりハイドロボールが必要になります。

最終的にはこんな感じになっています。使ったハイドロボールは10L分です。コメリがあればそこで購入するのが一番安いっぽいです。次にダイソーが安いみたいです。買いに行くのがめんどくさいのでAmazon.co.jpで購入しました。購入したのは「三浦園芸 ハイドロカルチャー用 中粒(約5~8mm)」です。

また、相変わらず土のポットも入れているのですが、下に壊れた瓦を敷いて持ち上げ、不織布ポットの不織布部分だけが水に触れるようにすると、なんとか土が腐らない状態になるようです。

サイフォンがうまく動かない

炭酸のペットボトルで高さを揃えたり、テグスでパイプの傾きを微調整してみたりといろいろしてみたのですがうまくいきません。

サイフォンがうまく動かない(水がうまく抜けない)ので、最終的にこんな形になりました。(後ろに見えるパイプはサイフォンの残骸)

これでもサイフォンが発動するので、上に積んでいるトロ船部分は、ハイドロボールのギリギリまで水がたまり、その後排出されるようになってます。

水量と排水パイプの太さによって、こんな変則な形でもサイフォンが働くようですね。

水漏れがなくせない

穴を開けた段階で、パイプとサイズが合わず、グルーガンで埋め合わせをしたのですが、うまくいきませんでした。グルーガンはEcoFlow「RIVER2」で問題なく動くのですが、水漏れ対策には向いておらず、どうしても隙間が空きます。

水漏れ対策をするのであれば、素直に防水用のコーキングをするのがいいようです。

防水の箱選び

バッテリーとインバーター、チャージコントローラーを入れる防水の箱を購入したのですが、サイズが合いませんでした。

購入したのは、「未来工業 プラスチック製防雨ウォルボックス 屋根付 タテ型 ブラック 1個価格 WB-2AK」なのですが、中の幅がバッテリーの幅に合わず使えませんでした。(現在はエアーポンプと魚の餌入れになってます。)

今後、このようなオフグリッドシステム用に購入を検討している人は、サイズに注意しましょう。また、サイズが大きくなるとどうしても値段が高くなってしまうので、それだったら、防水の箱を購入するのがオススメです。自分で作るとどうしても時間がかかるのと防水性に信頼が置けなくなります。

調べて良さそうだったのは、「JEJアステージ 収納ボックス」です。安くて耐久性があって大きいです。耐荷重80kgなので、上に乗ったりすることもできますしね。トロ船に穴を開けた要領で下に穴を開ければ問題なく使用できると思います。

オフグリッドに必要なものの選び方

オフグリッドに必要になるのがソーラーパネルとバッテリー、インバーターです。ここで失敗してしまうとすべて失敗してしまうので詳しくまとめておきます。

ソーラーパネルを選ぶ前の注意点

ソーラーパネルを選ぶ前に必ず知っておくことですが、100Wのソーラーパネルで100Wを発電することはできません。よくて80Wです。これは雲一つ無い快晴のときの発電量で、少しでも曇ると大幅に発電量が落ちます。

したがって、必要な発電量の2倍ぐらいを想定しておくと失敗しにくいです。

水中ポンプの選び方

さて、ソーラーパネルを選ぶ前に使いたい水中ポンプを選びましょう。自分はここで失敗してしまったのでよく考えてから注文するようにしましょう。

候補は3種類ぐらいですね。

  • 3W
  • 7W
  • 14W

7Wの水中ポンプが、13mmの塩ビパイプと給排水が釣り合う感じになります。

選ぶときに揚程(どのぐらいの高さまで水を持ち上げられるか)も関係してくるのですが、自分の目線ぐらいの高さであれば7Wで問題ないですし、腰ぐらいに設置するのであれば3Wで十分といった感じです。

また、ポンプのサイズに合ったチューブを購入しましょう。ポンプには付属していないので、自分で準備する必要があります。

ソーラーパネルとバッテリーの選び方

さて、どれぐらいの発電量が必要なのか考えましょう。

だいたい夜間の間が15時間あるとすると、

  • 3W×15h=45Wh 45Wh÷9h=5W 5W+3W=8W 8W×2=16W
  • 7W×15h=105Wh 105Wh÷9h≒11.7W 11.7W+7W=18.7W 18.7W×2=37.4W
  • 14W×15h=210Wh 210Wh÷9h≒23.3W 23.3W+14W=37.3W 37.3W×2=74.6W

したがって、簡単にまとめると以下のようになります。

  • 水中ポンプ3W:ソーラーパネル25W:バッテリー12V10Ah
  • 水中ポンプ7W:ソーラーパネル50W:バッテリー12V20Ah
  • 水中ポンプ14W:ソーラーパネル100W:バッテリー12V30Ah

悪天候の日などが必ず出てくるため、ある程度余裕を持った選び方をしましょう。

また、リン酸鉄リチウムイオン電池がつかえるチャージコントローラーがなかなか無いため、リン酸鉄リチウムイオン電池を選びたい人は注意しましょう。

インバーターの選び方

水中ポンプなどは消費電力がすくないので、小さめのインバーターで問題ないです。

ただ、ヒーターなど色々と取り付けしたい場合は、コンセント数が多いものを選ぶと良いと思います。

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結局、インバーターのW数が多いものを選んだところで、バッテリーの性能に引っ張られる(インバーター150Wだとしても12V10Ahバッテリーであれば120Wぐらいが限界になる)ため、気にする必要はあんまりないです。

メーカーは「BESTEK」がいいかなと思ってます。

ソーラーパネルをたくさん設置して、家全体をオフグリッドにするなど消費電力が大きくなる場合は、きちんと計算するように注意しましょう。

その他、購入したものまとめ

トロ船

このような長方形の箱のことをトロ船というみたいです。

上の段が25L、下の段が60Lのもので、それほど高くないです。ただ、広いと中に敷き詰めるハイドロボールの値段がえげつないことなるのでそこまで広いものにする必要はないかなと思います。

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中に入れるもの

下の段に入れるもので、ゼオライトとひゅうが土を入れました。

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ネットは、水槽用のものがありました。

こんな感じですね。植木鉢の壊れたものはその辺に転がっていたのでそれを入れてます。

あと、中のエビや魚は近くの川から獲ってきました。魚はメダカっぽいけどなんか違う感じなので、大きくなったら調べてみようかなと思います。

あと、祭りとかあれば金魚を獲ってこようかとも思ってます。

塩ビパイプは13mmのもの

塩ビパイプ類は、近くのホームセンター「コーナン」で購入しました。

Amazon.co.jpでも変えるみたいなので、買いに行くのが面倒な人はそちらでいいかも。

接着剤は、結局使わなかった(あとから変更できるように固定しなかった)ので、必要なさそうです。完全に固定して水漏れを防ぐのであれば必要かなと思います。

トロ船から穴を開けたところは、結局水漏れしているのでどれが正解なのか謎な感じです。バルブソケットと水栓ソケットで挟み込むかどうするかといった感じ。ホームセンターで実際に目で見て購入するのがオススメです。その方が安いですしね。

YouTube動画

雰囲気だけ動画にしました。

あとがき

リン酸鉄リチウムイオン電池用の充電器やら電圧計やらいろいろと購入したのですが使ってないので省いてます。

また、小屋の木材や波板などは、余ってたものを使いました。2×4材で作ってます。

とりあえず、24時間止まらずに動いています。あと、生き物が少ないからか、上に設置している植物の元気がないのでそれも含めて経過観察といった感じですね。

下のトロ船の排水穴の位置が低すぎて水が少ない感じがするので、前後ろ逆にするか迷う感じですね。

あと、ポータブル電源が使えればいいのですが、ソーラーパネルの発電W数より消費電力が大きくなる夜間に結局止まってしまうため残念ながら使えないといった感じです。チャージコントローラーがドッキングされたポータブル電源が出てくれれば便利なんですけどね。

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